イタリア旅行記(2009年5月中旬)







期間

ローマ2週間+日帰り旅行のオリビエート

この旅行記はイタリアのローマで感じたことを書き記した物です。したがって他の地域は知りませんし、偏見と無知に溢れている可能性が高いです。





美・芸術・デザイン





国立ボルゲーゼ美術館のベルニーニの作品「アポロとダフネ」は美しかった。素人目にも分かる作りの細やかさ。


骸骨堂では、人骨で装飾されたアートを見る事が出来る。悪趣味だと思うけれども、刺激的だし楽しい。





ネットで他のブログに書いてあった事なのだけれども、ローマではあまり美を感じる事が出来なかった。ここはロマンチックの語源である{ROMAN]であるのだけれども.....。

かつての繁栄の地、偉業を残した古代文明、現代の美の根源を形作ったローマで五感を刺激する美しさには出会えなかった。やはりここは過ぎ去った場所なのだと思った。




もちろん教会の壮麗さは腰を抜かす程なのだし、コロッセオの雄大さも素晴らしい。しかし何かが足りない。教会以外が一言で言ってしまえば野暮ったいのだ。様々なものが洗練されていない。


フランスのアルルやアヴィニヨン、花の都パリで感じた洗練された雰囲気を感じる事がなかった。フランスには、ヨーロッパに対する憧憬がそこにあった。


古代ローマや中世のキリスト芸術を超える、あるいは肩を並べる物が現代のローマにはない。

見たかったのは美しさであって、過ぎ去った古代ローマではなかったのである。





主観的ではあるが、何故フランスのほうが美しいと感じたのか?分析をして見た。それはひとえに、フランスは中華思想でありなんでも取り込んでいくからだと思う。

古代ローマでも同様だ。彼らの残したものは建造物だけれどもそれはギリシャとかエトルリア人からのものである。オリジナリティではなく積極的に寄せ集めをうまく運営した巨大帝国であったのである。今のイタリアは大昔に完成してしまっていて、そこから変化していない。

完成された文化的鎖国といって良いかも知れない。しかし落書き文化だけがアメリカから輸入されている......






街並み

ゴミ。落書き、容赦のないタバコのポイ捨て。結構酷いレベル。公共マナーはかなり低いと感じた。


BRICSに対抗する言葉、PIGS(ポーランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)に代表されるように問題の多い国のようである。

もっと綺麗にすれば観光客が増えるだろうに、勿体無いと感じることしばしば。



地下鉄はかなり凄いことになっていて、B線を走る列車は外側全面落書きで迷彩塗装が施されているような状態だった。しかも落書きの年月日を見ると2004年と銘打ってあった。5年間もそのまま放置というわけである。










物価



レストランは高いうえに美味しくない。

レストランの味は、1000円レベルの大衆店では日本のほうが味は遥かに高い。旅行者用の店が不味いだけではなく、地元民しか利用しないような店でも美味しくない。




しかし口コミを頼りに評判の良い店を探すと美味しい店が見つかる。海老ラディッキオのパスタは、美味しかった。(カルロメンタ)。下調べは大切だと痛感した。適当にふらっと入る店は決まって美味しくない。


世界有数の観光地であり、不味い飯を出しても客は尽きないのである。


余談だが、日本の格安レストランのサイゼリアの味や価格は凄いと再認識。パスタの不味さはイタリアと同じだけれども、ピザの味やそのほかのメニューのバリューさは世界一かもしれない。食材を輸入しているのに....

ジェラートの味も美味しい店を探せば見つかる。





ローマのレストランが高い理由はいくつかある。


@マフィアが経済の大きな部分を未だに牛耳っている事。我々が支払う飲食代のいくらかはゴッドファーザーに対するミカジメ料として上乗せされている。


A個人店が多く、大規模チェーン店があまり根付いていない。


B飲食業の労働者の権利がきちんと保護されている。日本のサービス業のように厳しい労働環境にない。








スーパーマーケット


日本の物価と同等〜激安まで

一般的なスーパーマーケットで、コカコーラなどのナショナルブランドを買おうとすると日本より若干割高。
しかしヨーロッパ特産品などを買おうとすると当然ながら日本より断然安い。


驚いたのは、ノンブランドを提供するディスカウントスーパーの存在





中でも凄かったのはイタリア各地で展開する「EURO SPIN」というスーパー。



ミネラルウォーター2リットル 20円程度
偽ダイエットコーラ1.5リットル 90円程度
ワイン 一リットル 120円
ビール 500ml 60円

エクストラバージンオリーブオイル 1リットル 500円
塩 一キロ 15円
キャビア(20グラム)偽者でランプフィッシュの卵 260円
パンチェッタ 120グラム 130円
パスタ 一キロ 80円
パルマ産生ハム120グラム 250円
モッツァレラチーズ 一袋 130円
デザートの170ミリリットルのパンナコッタ 20円
チーズ各種 日本の4分の1〜10分の1くらいの価格
上質のホワイトチョコ100グラム 70円


なんというか、ここはイタリアではなくタイとかインドネシアなのかと思ってしまう。


フルーツ・イチゴ 一キロ 130円(これは別のスーパー)

近所にこんな店があればかなり快適だろうと思った。


イタリアは、チープな生活をおくるには非常に快適な場所だと思う。世界遺産は身近に溢れている。
二流品の物価は非常に安い。格安スーパー質は流石にイタリアで

値段以上に品質が高い。

安くて旨い



ひとっかけらのチーズや生ハムが5000円とかしたりしない。300円あれば極上の生ハムや食べきれない巨大なチーズが手に入る。



労働環境もイタリア人を見る限り非常に良い。さぼった挙句一ヶ月以上の余暇を貰え、仕事の合間にシエスタをしてワインを飲む。それなのにGDPや所得は日本と殆ど同じ。
スーパーマーケットの店員は、店員同士私語に勤しみ歌を歌い客を無視し座りながら無愛想にレジをこなす。根本的に労働に対する感性が日本と違う。お客様は神様では決してない。



特に気になったのは、水の安さとビールの安さ。酒税がゼロにしても安すぎる。麦が安いからなのだろうか?ビール業界で働く人々の賃金はおそらく低いか労働者の数が少ないかどちらかあるいは、両方なのだろう。


イタリアで水2リットル20円が可能なら、日本だって出来るはず。なぜ100円以上もするのだろうか?ひょっとしたら大きなビジネスチャンスがあるのかもしれない。

また地産地消をきちんと行えば、全国一律で同じ商品を販売するよりも安く効率よく物を売る事が出来るのかもしれない。SPINの安さは何なのだろうかと結構考えて見たりした。




不動産

不動産価格は4000万円〜一億円のでものが多く、不動産バブルははじけきってない模様。10年間下落し続けてもおかしくないと思った。






なぜ働かないイタリアは日本と同等の経済水準なのか?

@何も変化のない国だから。スクラップアンドビルドから遠い場所にある。何十年ぶりにこの国に訪れても変化があまり見られないから。


A観光大国なので、過去の遺産にすがり付いていると言えるかもしれない。

B見えないところで移民が必死に働いているから?そうだとしてもイタリア人自身は、全く働いていない。おかしい。

C何か大事なポイントがあって、そこだけを守れば経済水準は維持される

街中にある時計はいくつも狂っているし、バスの運転手はガールフレンドを口説いて発車しない。警官はタバコを吸い私語に勤しむ。タクシーは時間を指定しても一時間遅れてくる。
全てがきちんと動く日本と経済水準はほぼ同等。

質の違いなどを「経済という物差し」では、計測できていないという根本的な問題を再認識させられた。

日本のようにきめ細かいサービスがきちんとしているということがマクロ経済の



という尺度では測られていない。そしてそれに気づいている人が殆どいない。素晴らしいサービスがマクロ経済では銭を生まない空回り構造。

これは日本との比較だけではなく、フランスとイタリア、あるいはアメリカとイタリアとの比較も同様。


他サイトリンク 「フリーライダーの国」  凄い事が書いてあるけど、あながち嘘ではないと感じる。