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「非人道的な猛烈アービトラージを行なう会社は収益率が高い」

非人道的な猛烈アービトラージを行なう会社は収益率が高い


24時間働けますか?




経営には、ある種簡単な技を実行すれば利益がでる手法が存在する。普通の人にはできないが、モラルをなんとも思わない人物が実行すれば簡単にできる手法である。

社員の良心を逆手に取った経営手法である。良心的な経営者は従業員を大切にし顧客を愛する。しかし悪徳な経営者は顧客を愛し、従業員を使い捨てる。そう使い捨てるのだ。

あなたが中流や上流階級に位置するなら、このような従業員を使い捨てる企業が存在するなんて想像できないかもしれない。しかし実際にそれは存在する。

人を人と思わぬ経営は、実際の所高収益なのである。
理由は簡単だ。
超長時間密度の濃い労働をさせて、給料は相場以下で支払うという事だ。これを実行できると相当儲かる。なにせ競争相手は、人を人として扱うのでコストが違ってくる。面白いものでこういう企業ほど従業員のやる気は満ち溢れている。その理由は簡単で経営陣が空気を操っているからだ(もしくは本来の経営者の気質が感染した場合、この場合悪意はないだろう)。


やる気は伝染する、一日17時間を働く、休みは月2回程度で手取りは20万円。そういった企業がジャスダックなどの小型株にはごろごろある。そういった企業ほどROEは非常に高い、不況下でも時としてROEが30%を越える。世間ではこれをブラック企業という


こういった会社を見抜くコツは、なんらライバル会社と比べ優位性を持たないのに、やたら収益率の高い会社だ。そして経営者がケチだとなお更収益率は高くなる。また平均給与を見てみると良い、平均年収400万円程度である。

実際に給与が400万円あるわけでなく、それは経営陣の給与を入れた平均額であって実際はさらに相当低い。ヤフーの掲示板に従業員が文句を書き込む場合もある。それも一つのサインである。

有価証券報告書を見れば従業員の平均勤続年数が書いてある。この年数が短い傾向があれば仕事はきついという事だ。これまた猛烈アービトラージを仕掛けているサインである。



圧倒的な強み


この会社の優位性は、ほとんどの場合薄れない。競争が激しくなっても優位性は消えない。ライバル会社ができない事を徹底してやる強みは大きい。
この優位性が消える場合は内部からの告発があった場合。そしてオーナー経営者の交代もしくはオーナーがある程度の富を獲得した時点で、従業員重視に方針転換する時である。こうなると猛烈アービトラージを仕掛けていた会社の優位性は消えてしまう。

また非人道的な事をやる会社なので、不法を犯すリスクもある。その場合経営者が逮捕されたりするリスクも存在するが、今までの経験上こういった企業ほど総じてリターンは高い傾向にある。

ただしこういった会社に投資するのは、社会的・道徳的観点から見てあまり好ましいものではないと言っておく。少なくとも貴方が裕福ならこういった会社への投資はよく考えて欲しい。ノブリスオブリージュの精神から言って恵まれた立場の人がやる事ではない。力には責任が伴うからだ。



善悪論を排して考えてみる。


もう一点逆説的な見解だが、自らの手を汚したくないので企業家にならず、投資家になり利益を得るというのも非常に合理的な行動とも言えるだろう。投資家は泥を被るというリスクを犯さない点において企業家よりも立場が優れているのである。

投資家
投下資本以外になんら責任を負わないという事が、投資の極めて本質的な特徴である。

企業家
ビジネスとは、法的責任や社会的責任、つまり不祥事やトラブルがあった場合などに泥を被るリスクを引き受ける事となる。


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