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株式と法律




法律に詳しい投資家の友人に、法律と株式との関連について、投資家に関係ありそうな箇所をメールで教えていただきました。
以下、本人の承諾を得て、少し加筆して掲載いたします。



T株式とは

株式投資の「株式」とは何を意味するのか考えたことがありますか。
この株式は簡単に言えば会社の所有権の一部のことです。
日常生活の中で、みなさんクルマからTシャツに至るまでさまざまなものを所有しています。そして、通常は1つのものについてひとりの人が所有権を持っています。
ところが電力会社を作ろうと思っても、なかなか発電所を作るお金をひとりの人が出すことはできません。そこで、電力会社の所有権を細かく分割して、多くの人からそれぞれ少しずつお金を出してもらおうというのが株式会社の考え方です。
したがって、100株の株式を発行している会社の株式を1株所有している人は、会社の100分の1を所有しているようなものです。どの株式も価値は同じなので、同じ数の株式を所有している人が会社に対して持っている権利は同じです。会社は、株主の持株比率に応じて、平等に扱わなければいけません。これを株主平等原則といいます。
この株式会社の所有権である株式を紙に印刷し、譲渡を容易にしたものが株券です。新会社法では、定款で株券の発行を定めない限り、株式を発行しないということが基本となりました。

会社法214条
株式会社は、その株式に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。

株式会社には他の会社形態とは異なる特徴があります。









U株式会社の特徴


会社形態にはさまざまなものがあります。株式会社がその代表格ですが、その他のものとしては合資会社・合同会社などです。
ここでは、株式会社の特徴について説明します。



(1)株主の有限責任

株式会社の特徴で、1番大きなもののひとつが株主の有限責任です。
有限責任とはつまり、自分が100万円出資した会社が倒産した場合は、出資した100万円を失うだけ、ということです。
もし会社が倒産したとしても、会社の取引先などの債権者が株主の財産を差し押さえることはできませんし、その逆に株主が破産したときも、株主の債権者が会社の財産を差し押さえることはできません。
小さいころ友達とよくやっていた人生ゲームには、株を買うと「株価が暴落。○○円支払う」というマスがありましたが、現実には株式を購入したときに払ったお金以上の責任を株主が負うことはないのです。
そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、たとえば他の会社形態である合名会社の社員は、会社の債務に対して連帯して無限の責任を負うのです。
なお、よく株式会社が倒産したときに、その会社のオーナー社長も自己破産をするといったことがありますが、それは社長が会社の債務について連帯保証をしたといった事情があるからであって、株主の責任としてではありません。

株主を有限責任とすることによって、投資家は安心して投資することができるので、お金が集まりやすいというメリットがあります。
ところが、株主が有限責任であることによって困ってしまう人がいます。それは会社の取引先などの債権者です。なぜなら、会社が倒産してしまった場合に債権を回収しようと思っても、株主は有限責任ですので、株主からお金をもらうことができないからです。
そこで、債権者を保護するためのものが、資本金です。資本金についても少し説明したいと思います。



〔資本金〕 

今まで株式会社を設立するには、1000万円の資本金を用意する必要がありました。
この1000万円というハードルは新会社法によって撤廃され、1円からでも会社を設立することができようになりますが、この資本金とは何でしょうか。
常に会社に資本金の分のお金が用意してあるということか、それとも会社の純資産のことなのか・・・。実はどちらでもありません。

資本金とは、会社を設立する際に、株式の発行と引換えに株主となる人が振込む額のことです。
もちろん資本金は企業の運営に利用することができます。したがって資本金の額のお金が常に会社にあるわけではありません。
しかし、資本金には最初に振り込まれたお金という以上の意味があります。会社は、純資産が資本金を下回っているときは、いくら会社が利益を上げているときでも、利益を株主に配当することができないのです。
そうすることによって、資本金として定めた額分の純資産は会社に確保し、会社の債権者を保護しようとしているのです。




(2)所有と経営の分離

株式会社では、会社のオーナーである株主が直接会社を経営するのではなく、株主総会で選ばれた取締役が経営を担当します。この、株主による所有と取締役による経営が明確に分離されている点も株式会社の大きな特徴のひとつです。
他の会社形態である合名会社などではオーナーである出資者が直接経営にあたるのとは対照的です。
大規模な事業を行う株式会社には非常に多くの株主がいるため、株主全員で経営判断を下すことは困難かつ非効率であることや、株主の究極的な目的は会社から経済的な利益を得ることであるので、経営のプロに経営を任せた方が株主の利益にかなうといった点で所有と経営の分離は優れているといえます。

このような特徴をもつ株式会社は経済発展を促進する役割を果たしてきました。
なぜなら、小額からも出資が可能で、経営はプロに任せておけばよく、責任も出資した分に限定されているので安心して出資することができるといった点から、多くの人からたくさんのお金を集めることができるからです。
莫大な資本を必要とする鉄道や電力といった生活のインフラを構築することも、株式会社という制度が容易にしたといえるでしょう。



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