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リスクヘッジとして、災害に備える

火災、地震、津波、台風、地滑りなど様々な災害があるが、今回は投資家としての視点を含めて災害について考えてみよう

近年、阪神・淡路大震災を契機に急速に地震への関心が高まっている、ちょっと前にはアメリカで巨大ハリケーン「カトリーナ」がニューオリンズを直撃したのはご存知の通り
ちょっと脱線

カトリーナが南部の製油施設を直撃した影響で精製油が暴騰、原油とのアービトラージの観点から見て一気に精製油は割高となったが、日本では反応が薄く市場はあまり動かなかった。

日本の製品(ガソリン・灯油)期近物を見てみると世界的に異常とも言える割安水準が続いた。アメリカの製油スプレッドは至上最も高水準で、日本の製油スプレッドは暖冬のせいもあるが、上場来最も低水準という激しいコントラストになった。

ここで私も今年の先物市場での儲けを全額ふっとばすほど相当にやられた

アービトラージャー達の行動やヘッジ機能で、相場水準が調整されると経済学の教科書にあるが、このようなメジャーな商品ですら市場の機能が働かない時がある。時として驚くほど市場は非効率的だという事を教えてくれる


さて、本題に戻ろう


まず災害予防対策としてリスクファクターを分析して危険な場所に住むのは避けたい。

地盤は緩いのか、堅いのか
海抜高度は大丈夫か?
川が側を流れているのか?
流れているのなら治水工事はしっかりしているのか
住宅密集地か、木造住宅密集地か




引越しを考えている人は以上のリスク要因を考えてよい場所を選ぶと良い。
引っ越す予定のない人は、自分の状況にあった備えを強化すると災害リスクを上手に減らす事ができる。
例えば、川沿いにあるのなら洪水になった時に備えてゴムボートを用意しておくとか、火災で燃えやすい住宅密集地なら貴重品は銀行の貸し金庫に預けたり、すぐに持って脱出できるように日頃から準備しておこう。
また居住地区の価格であるがこれらの危険因子が不動産価格に含まれているとは到底思えない、良い場所をしっかり研究していい買物をしよう

投資家たるもの、リスク要因を一つずつ調べ、それに対応しておこう。もちろん、対処しようのない事は今までどおり神に祈るほかない。
しかしながら、万全の準備をするものに幸運の女神は微笑むものだ。リスク・確率をコントロールしようとするのが、投資家の本分のはずだ


大災害があった時、政府はあまり当てにならない。需要と供給の原則により、災害者があまりに多いと警察や自衛隊・救命隊は数が限られているので不足する。
災害が起こって騒動が落ち着くまでの3日間は、自助努力でなんとかなるようにする必要がある。その時に不足するのが、水と食料、毛布であろう

普段からの備えが大事であるが、ここではもう一歩踏み込んで災害時の備えの食料の経済効率性を考えてみよう

災害用にとカンパンなどを多くストックする人もいるであろうが、消費期限がありなにもなかった時にそれを処分するのは勿体無い。それよりも、普段から使う食材をストックさせておき、順次回転させていったほうが無駄がないし、環境にも優しい

私の場合、スナック菓子のナビスコリッツが好物なので多めにストックしている、砂糖も長期で保存ができる上カロリーが高くいざという時に命をつなぐ事ができる、缶切りを使わない缶詰やレトルト食品(ククレカー等)もおすすめだ



またちょっと脱線

筆者は、東京で前回の大震災並の被害があった場合インフレが起こると考えていたが・・・・

インフレ率の参考データは下記にあるのでご覧あれ

戦前基準企業物価指数(1901-2003年)エクセルファイル
(エクセルを持ってない場合はマイクロソフトのサイトでエクセルビューワ97(無料)を使えば見ることができる)


1923年9月に関東大震災が起こったわけだが上記のインフレ率を見る限りほとんど反応がない。
まさに想定の範囲外である。

通貨とは生産力や交換性・信用の裏づけがあって価値を持つ物だから、このような大震災があった場合貨幣の価値は落ち(生産力が落ち、物が不足するという事は需要と供給により物価が上昇すると思った

政府の信用が落ち震災復興の為に多額の資金が必要となる。それには通常多額の借金(国債)、もしくは通貨発行の増発をする必要がある。だが結果としてインフレにならなかった。


少し経済学的な難しい考え方をすると、震災で物不足となり一部の物価(野菜や米・木材価格)があがるとその他の面で財布の紐が堅くなり(外食や遊郭、芸術品など)の文化とも無駄とも言える部分の需要が無くなり価格が下がる、結果トータルとしての平均物価はなにも変わらないという事であろうか


という事はまた東京で大震災が起こった場合、前回のようにインフレが起こらない可能性が高いといえるかもしれない

ただしその他のインフレ要因(天文学的な国の借金・消費者のマインドの変化)などの引き金になる可能性は依然として残っているのではないかと考える。


上記の事例によりマクロ分析を投資に応用し、まともに行う事がいかに困難かお分かり頂けるであろう





意外と知られていない、事実をお伝えしよう


歴史上飢餓が起こるのはきまって食料の生産地である。
大都市で飢餓が起こった例は戦で兵糧攻めを除きほとんど見受けられない。大都市は補給線が必ず確保されているからである。食料の生産地である田舎はこの観点が欠けているためいざ災害に見舞われると真っ先に飢えるリスクが存在する。
もっとも現在は物流の道路網が完備され田舎で飢饉が発生するなど考えられないが、補給線を確保するという概念は大事にしたい。

リスクヘッジの観点から見て自分で生産するよりも調達手段を確保しておくほうが戦略的に見て大切なのである、世界中で食料が不足していると言われるが、一方で余っているのである。余った食料は捨てられる、それは需要と供給が結びつく線がないからである。

神戸の震災の教訓から実際に災害にあった時には、オフロードタイプのバイクが役に立つであろう。富裕層の方がいらっしゃったら保険と考えてバイクの購入を考えられてはいかがだろうか?そうでない人も食料と水のストックだけは万全を期してほしい


参考文献:『石油を読む』 石油に関しての素晴らしい良書である


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